日本では普通に使える言葉や表現が、中国のSNSやネット上では禁止ワード・違約ワードに該当し、投稿削除やアカウント凍結につながるケースがあります。
個人利用であれば注意喚起で済む場合も多いですが、企業として小紅書を運用する場合はブランドイメージへのダメージや法的リスクに発展する可能性もあります。
中国の禁止ワードは、大きく「政治・社会系」「広告法に基づく誇大表現」「美容・健康などの業種別」の3種類に分けられます。
本記事では、中国の禁止ワードが存在する背景から種類・具体例、小紅書固有のルールと企業運用時の注意点まで、コラム形式でご紹介します。
小紅書の活用を検討している方は、ぜひ運用を始める前の基礎知識として参考にしてみてください。
中国の禁止ワードとは|違約ワードとの違い
中国のインターネット上には、検索・投稿・広告など用途を問わず使用が制限されている「禁止ワード」と、プラットフォームごとに定められた「違約ワード」が存在します。
これらは中国政府の法律やプラットフォーム独自のガイドラインに基づいており、違反した場合のペナルティは行政処分や罰金から投稿削除まで幅広く設定されています。
まずは禁止ワードが存在する背景と、禁止ワード・違約ワードそれぞれの意味の違いを整理しておきましょう。
ここを理解しておくことで、小紅書(RED)をはじめとする中国SNSの運用リスクをより正確に把握できます。
禁止ワードが存在する背景
中国の禁止ワードは、大きく2つの目的から生まれています。
ひとつは、共産党や政府に批判的な情報・反政府的な発言を遮断し、国内の情報環境をコントロールするという政治的な目的です。
もうひとつは、消費者を誤解させる誇大広告や虚偽表現を規制し、健全な市場秩序を維持するという経済的な目的です。
前者はグレートファイアウォールによるネット規制と連動しており、後者は2015年に改正された中国広告法を中心とした法整備によって具体化されています。
禁止ワードと違約ワードの違い
「禁止ワード」と「違約ワード」は似ているようで、適用される範囲が異なります。
禁止ワードは中国広告法やサイバーセキュリティ法など国レベルの法律に基づくもので、使用すると行政処分や罰金といった法的なペナルティの対象になります。
一方の違約ワード(违约词)は、各SNSプラットフォームが独自に定めた規約上の禁止表現で、違反した場合は投稿削除・表示制限・アカウント凍結といったプラットフォーム側の措置が取られます。
小紅書の運用では、この両方のルールを同時に把握しておく必要があります。
| 比較項目 | 禁止ワード | 違約ワード(违约词) |
|---|---|---|
| 根拠となるルール | 中国広告法・サイバーセキュリティ法など国の法律 | 各SNSプラットフォームの利用規約・ガイドライン |
| 適用範囲 | 中国国内のネット上全般(検索・投稿・広告) | 該当プラットフォーム内のみ |
| 違反時の措置 | 行政処分・罰金などの法的ペナルティ | 投稿削除・表示制限・アカウント凍結 |
| 更新のされ方 | 法改正・当局の運用変更にともない改定 | プラットフォーム側の判断で随時更新 |
中国SNSで規制されている禁止ワードの種類
中国の禁止ワードは、大きく「政治・社会系」「広告法に基づく誇大表現」「美容・健康・医療系」の3つに分けられます。
日本企業が小紅書(RED)などのSNSで発信する際に特に引っかかりやすいのは、広告法に基づく誇大表現と美容・健康系の業種別禁止ワードです。
ここでは、それぞれのカテゴリーの傾向と代表的な禁止ワードを整理します。
どのカテゴリーも「知らなかった」では済まされないため、事前の把握が運用の大前提になります。
政治・社会系の禁止ワード
政治・社会系の禁止ワードは、共産党・政府の指導者への批判、歴史的な政治事件への言及、宗教や独立運動に関連するキーワードが中心です。
これらは日本企業がビジネス目的で発信する投稿で意図的に使うことはほぼありませんが、旅行・文化・歴史系のコンテンツを扱う場合に意図せず触れてしまうリスクがあります。
また、台湾・香港・チベット・新疆といった地名も文脈によってはセンシティブなワードとして扱われるため、インバウンド向けコンテンツでの言及には慎重な配慮が必要です。
政治系の禁止ワードは更新頻度が高く、時事的な出来事を契機に突然新たなワードが追加されることもあります。
| カテゴリー | 該当する表現の傾向 |
|---|---|
| 政治・指導者 | 共産党・政府指導者への批判や否定的な言及 |
| 歴史的事件 | 特定の政治事件や社会運動への言及 |
| 地域・民族 | 台湾・香港・チベット・新疆などの独立・分離に関する文脈 |
| 宗教 | 特定宗教の布教活動や反政府的宗教活動に関する表現 |
※情報は2026年5月時点のものです。政治系の禁止ワードは時事的な出来事により随時追加・変更されます。
広告法に基づく誇大表現の禁止ワード
2015年に改正された中国広告法では、広告における「絶対化表現」の使用が厳しく規制されています。
具体的には断定的・絶対的な優位性を示す表現が禁止ワードに該当し、違反した場合は広告主に対して最低20万元(約400万円相当)以上の罰金が科される可能性があります。
情状が重大と判断された場合は営業許可取消しの対象になることもあります。
「業界最高峰」「日本一の品質」といった表現は、日本国内でも正確な根拠がなければ問題となる可能性があります。
中国向けのマーケティングでも、こうした表現を安易に中国語へ翻訳して使用すると規制に抵触する可能性があるため、注意が必要です。
| 禁止ワードの種類 | 代表的な禁止表現 |
|---|---|
| 最上級表現 | 最高・最優秀・最先端・最大限・最高級・最も安いなど |
| 絶対化表現 | 唯一無二・100%・前代未聞・空前絶後・全能・永遠など |
| 順位・ランク表現 | ナンバーワン・NO.1・TOP・中国第一・一流・国家級など |
| 権威・独占表現 | 独占発売・国家推薦・品質検査免除・全国販売チャンピオンなど |
※情報は2026年5月時点のものです。法改正や当局の運用変更により内容が変わる場合があります。
美容・健康・医療系の禁止ワード
小紅書のユーザー層は美容・健康への関心が高い女性が中心であるため、この分野の禁止ワードは特に押さえておく必要があります。
化粧品・スキンケアや健康食品の訴求でよく使われる言葉が広く規制対象に含まれており、日本語のコピーをそのまま翻訳して投稿すると違反に気づきにくいという落とし穴があります。
業種によっては広告法に加えてより細かいプラットフォーム規制も重なるため、業種別の禁止ワードを別途確認することが必要です。
| 分野 | 代表的な禁止・規制対象となり得る表現 |
|---|---|
| スキンケア・美容 | 美白・即効性・特殊効果・延命・シミ治療・炎症除去など |
| 健康食品・サプリ | 免疫力向上・デトックス・解毒・抗菌・減肥(ダイエット効果)など |
| 医療・治療 | 治療・除菌・殺菌・処方・脱毛治療・炎症など |
| 身体への効果 | 新陳代謝促進・ホルモン調整・血行促進・神経安定など |
※上記はあくまで代表例です。業種・商材によって規制範囲が異なるため、個別の確認を推奨します。
小紅書で特に注意が必要な表現
小紅書(RED)には、中国広告法による規制に加え、プラットフォーム独自の投稿ルールが定められています。
ここでは、小紅書で投稿する際に特に注意が必要な表現や行為を紹介します。
「絶対に痩せる」などの断定表現
「絶対に痩せる」「必ず効く」「使えば確実に変わる」といった断定表現には注意が必要です。
商品やサービスの効果を過度に断定する表現は避け、投稿前に内容を確認することが重要です。
外部サイトへ誘導するような表現
投稿内やDMでWeChatのID・電話番号・外部サイトのURLなどを記載し、外部へ誘導する行為にも注意が必要です。
外部誘導に関するルールに違反した場合、アカウント機能の制限などにつながる可能性があります。
他クリエイターの投稿を無断でコピー
他のクリエイターが制作した画像や文章、動画などを無断でコピーして投稿する行為も避ける必要があります。
非オリジナルコンテンツや著作権を侵害する投稿は、投稿削除やアカウントへのペナルティにつながる可能性があります。
小紅書で規約に違反した場合のペナルティ
小紅書で規約に違反した場合、違反内容などに応じて投稿やアカウントに対する措置が取られることがあります。
主なペナルティについて、それぞれ確認していきましょう。
投稿の非表示・削除
投稿内容が小紅書の規約に抵触した場合、該当する投稿の表示が制限されたり、削除されたりすることがあります。
投稿が表示されにくくなると、ユーザーに情報が届きにくくなり、集客や認知拡大にも影響する可能性があります。
投稿が削除された場合は、禁止表現や画像・動画の内容などを確認し、同様の違反を繰り返さないよう見直すことが重要です。
アカウントへの警告
小紅書では、規約違反が確認された場合、アカウントに対して警告が行われることがあります。
警告を受けた場合は、どの投稿や表現が問題とされたのかを確認し、必要に応じて投稿内容の修正や削除を検討することが重要です。
特に企業アカウントでは、同じような違反を繰り返さないよう、投稿前のチェック体制や運用ルールを見直すきっかけにしましょう。
機能制限
違反内容によっては、投稿やコメントなど、アカウントの一部機能が制限される場合があります。
機能制限を受けると、新しい投稿による情報発信やユーザーとのコミュニケーションに支障が生じる可能性があります。
企業が継続的にSNSを運用するうえでは、こうした制限が集客施策や顧客対応に影響することもあるため、日頃からプラットフォームの規約を確認しておくことが大切です。
アカウント凍結
重大な規約違反や違反を繰り返した場合には、アカウントが凍結される可能性があります。
アカウントが利用できなくなると、それまで蓄積してきた投稿やフォロワーを活用できなくなり、継続していた情報発信にも影響が生じます。
特に企業アカウントでは、ブランドの認知拡大や集客のために積み重ねてきた運用成果を失うリスクがあるため、禁止ワードや違約ワードを確認しながら慎重に運用することが重要です。
企業が小紅書(RED)を運用する際に特に注意すべき理由
企業が小紅書(RED)を運用する場合、投稿内容によっては広告に関する規制の対象となるほか、規約違反によるアカウントへの措置が事業やブランドにも影響する可能性があります。
ここでは、企業運用で特に注意しておきたい2つのリスクについて解説します。
企業アカウントの投稿が広告規制の対象になる場合がある
企業アカウントから商品やサービスを紹介する場合、投稿内容によっては広告に関する規制の対象となる可能性があります。
そのため、企業アカウントで投稿する際は、誇大表現や断定的な表現に注意し、投稿前に内容や訴求方法を確認することが重要です。
アカウントへの措置がブランドや事業に影響する
企業アカウントが規約違反によって機能制限や凍結などの措置を受けると、それまで蓄積してきた投稿やフォロワーを活用できなくなる可能性があります。
また、公式アカウントへの措置はブランドの信頼性にも影響する可能性があるため、禁止ワードや違約ワードへの対応を運用設計の段階から組み込んでおくことが重要です。
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中国の禁止ワード一覧|まとめ
- 禁止ワードは国レベルの法律、違約ワードはプラットフォーム独自の規約に基づくもので対応が異なる
- 広告法の禁止ワードは「最高」「100%」「唯一無二」など絶対化表現が中心で違反時の罰金は最低20万元以上
- 美容・健康系では「美白」「即効性」「免疫力向上」など日本でよく使われる表現も対象になる
- 小紅書(RED)では、断定的な表現のほか、外部サイトへの誘導やコンテンツの無断転載などにも注意が必要
- 企業運用では広告とみなされるリスクが高まり、アカウント凍結はブランドへのダメージに直結する
本記事では、中国の禁止ワード・違約ワードの背景から種類、小紅書固有のルール、企業運用時の注意点までご紹介しました。
日本の感覚で書いた文章をそのまま中国語に翻訳して投稿するだけでは、気づかないうちに規制に抵触している可能性があります。
特に企業として小紅書を運用する場合は、禁止ワードへの対応を運用設計の最初の段階から組み込んでおくことが、安定した運用継続の鍵となります。
中国語ネイティブによるチェック体制を整えたうえで、リスクを抑えながら効果的な発信を続けていきましょう。


