小紅書の活用事例と方法|日本法人が集客成果を出すために知っておくべきこと

小紅書(RED)を活用して、インバウンド集客や中国市場への販路拡大につなげる日本企業が増えています。

月間アクティブユーザー数3億人を超える小紅書は、中国人ユーザーが旅行先や商品、店舗などを調べる際に利用するSNSのひとつです。

日本企業にとっても、訪日前の中国人観光客に店舗を知ってもらったり、中国本土で商品の認知を広げたりするための重要な接点となっています。

本記事では、小紅書を日本法人が活用すべき理由から、具体的な活用方法、成果を出すためのポイント、実際の企業事例まで分かりやすく解説します。

「自社なら小紅書をどう活用できるのか知りたい」という方は、ぜひ参考にしてみてください。

「RED」で中国マーケティング
目次

小紅書(RED)とは?日本法人が活用すべき理由

小紅書を活用する日本法人が意識したい中国人ユーザーの情報収集シーン

小紅書(RED)は、写真や動画を中心に、商品レビューや旅行、グルメ、美容、ファッションなどの情報が投稿されている中国のSNSです。

日本企業が小紅書を活用するうえで知っておきたいのが、中国ではSNS上の口コミや実際に利用した人の体験談が、商品や店舗を選ぶ際の参考情報として活用されていることです。

ここでは、日本法人が小紅書を活用すべき理由を2つの視点から見ていきましょう。

中国市場では口コミが重要視されているから

中国人ユーザーは、気になる商品や旅行先を見つけたときに、企業の公式情報だけでなく、小紅書で実際の利用者による口コミや体験談を検索することがあります。

例えば、日本旅行を計画しているユーザーであれば、「東京グルメ」「日本旅行おすすめ」「新宿で買うべきもの」などのキーワードから情報を探し、行きたい店舗や購入したい商品を決めていきます。

そのため、小紅書で商品や店舗についての情報を見つけてもらえる状態をつくることが、訪日前の認知獲得や中国市場での購買につながるきっかけになります。

企業から一方的に商品を宣伝するだけではなく、ユーザーが知りたい情報やリアルな体験を伝えることが、小紅書を活用するうえで重要です。

実際にREDで成功した活用事例が多いから

すでに日本企業のなかには、小紅書を活用して認知拡大や来店、商品購入につなげている企業があります。

活用しているのは化粧品やファッションなどのブランドだけではありません。

百貨店、飲食店、宿泊施設、観光施設、鉄道会社など、実店舗へのインバウンド集客を目的として小紅書を取り入れる企業も見られます。

また、大企業だけでなく、地方の店舗や観光事業者でも活用できる点が小紅書の特徴です。

記事後半では、実際に小紅書を活用した日本企業の事例を詳しくご紹介します。

日本法人は小紅書(RED)をどのように活用したらいい?

日本法人による小紅書のインバウンド集客・越境EC・ブランディングへの活用方法

日本法人による小紅書の活用方法は、目的によって大きく異なります。

代表的なのは「インバウンド集客」「越境EC」「ブランディング」の3つです。

まずは自社が何を目的として小紅書を利用するのかを決め、その目的に合った投稿や導線を設計していきましょう。

インバウンド集客で予約・購買につなげる

飲食店や宿泊施設、観光施設、小売店などでは、訪日前の中国人観光客に店舗やサービスを知ってもらうために小紅書を活用できます。

料理や客室、商品などを紹介するだけではなく、「実際に訪れるとどのような体験ができるのか」が分かる投稿を作ることがポイントです。

旅行前の情報収集段階で「行ってみたい」「日本に行ったら買いたい」と思ってもらえれば、来店や予約、購買につながる可能性が高まります。

店舗名だけでなく、エリア名や観光地名など、ユーザーが検索しそうなキーワードを意識して投稿することも大切です。

越境ECで中国本土へ直接販売する

化粧品や食品、ファッション、生活雑貨などの商品を扱う企業では、小紅書を越境ECへの集客に活用する方法があります。中国市場に向けたSNSとECの連携については、中国マーケティングの戦略を解説した記事も参考にしてください。

商品を知らないユーザーにいきなり購入を促すのではなく、商品の使い方や実際の使用感、口コミなどを投稿し、まず興味を持ってもらいます。

小紅書で商品を知ってもらい、購入を検討するユーザーをECへつなげることで、情報収集から購買までの流れを作ることができます。

KOLやKOCによるレビュー投稿を組み合わせ、第三者の視点から商品の魅力を伝える方法も活用されています。

ブランディングを確立しユーザー層を中華圏へ広げる

すぐに来店や購入につなげるだけでなく、中長期的なブランド認知の拡大を目的として小紅書を活用する方法もあります。

ブランドの考え方や商品が生まれた背景、店舗で体験できることなどを継続的に発信することで、中国語圏のユーザーとの接点を増やしていきます。

日本国内ですでに認知されているブランドでも、中国ではまだ知られていないケースがあるため、中国人ユーザーに合わせた情報発信を続けることが重要です。

公式アカウントの投稿だけでなく、KOL・KOCによる口コミも組み合わせることで、ブランド名の検索や認知の広がりにつなげられます。

日本法人が小紅書(RED)で成果を出すためのポイント

小紅書で成果を出すためのポイントを整理する日本法人の運用チーム

小紅書を始めただけで、すぐに集客や売上につながるわけではありません。

ユーザーが知りたい情報を意識した投稿を続けながら、小紅書の特徴に合った運用を行うことが大切です。

ここでは、日本法人が運用する際に特に意識したい3つのポイントをご紹介します。

体験談ベースの投稿設計

小紅書では、商品スペックやサービス内容だけを並べた広告のような投稿よりも、実際の体験が分かるコンテンツが重要です。

飲食店なら「実際に食べてみた」、宿泊施設なら「泊まってみた」、コスメなら「使ってみた」といったユーザー目線の情報を意識しましょう。

「自分が利用したらどうなるのか」をイメージできる投稿にすることで、保存やコメントなどの反応にもつながりやすくなります。

店舗までの行き方や価格、予約方法など、ユーザーが次の行動を起こすために必要な情報を入れることも大切です。

KOL・KOC施策との組み合わせ

自社アカウントだけでなく、KOLやKOCによる発信を組み合わせる方法もあります。

KOLは多くのフォロワーに商品や店舗を知ってもらいたい場合に活用しやすく、KOCは一般ユーザーに近い目線からリアルな体験を伝えられる点が特徴です。KOLとKOCの違いや具体的な活用方法については、KOLマーケティングの基本を解説した記事をご覧ください。

企業の公式情報と第三者による口コミの両方を増やすことで、ユーザーが商品や店舗について調べた際に、さまざまな角度から情報を確認できる状態を作れます。

予算や目的に合わせて、KOLとKOCを使い分けることがポイントです。

自然な中国語でコンテンツを制作する

日本語で作った投稿をそのまま機械翻訳するだけでは、中国人ユーザーにとって不自然な文章になることがあります。

また、小紅書には独自の表現やトレンドがあり、日本のSNSと同じ伝え方がそのまま通用するとは限りません。

中国語として自然に読めることはもちろん、中国人ユーザーが普段どのような言葉で検索しているのかまで考えて投稿を作ることが重要です。

ガイドラインや使用できない表現も確認しながら、中国語ネイティブの視点を取り入れてコンテンツを制作すると安心です。

小紅書(RED)を業種別に活用する方法

業種別に異なる小紅書の活用方法を象徴するカフェ店内の撮影シーン

小紅書で効果的な発信内容は、業種によって異なります。

ここでは、特に小紅書を活用しやすい3つの業種を例に、投稿の考え方をご紹介します。

飲食店・カフェの活用方法

飲食店やカフェでは、料理そのものだけでなく、店内の雰囲気やスタッフ、注文から食事までの体験が伝わる投稿がおすすめです。

「渋谷グルメ」「東京カフェ」など、旅行前に検索されるキーワードも意識して投稿を作ります。

ユーザーが投稿を見たときに「日本旅行でここへ行きたい」と思える情報を揃え、旅マエの候補に入れてもらうことが重要です。

大衆点評など旅ナカで利用されるサービスも整備しておくことで、来日後の店舗検索から来店につなげやすくなります。

宿泊施設・観光施設の活用方法

宿泊施設や観光施設では、「そこへ行くと何を体験できるのか」が伝わるコンテンツを意識しましょう。

ホテルであれば客室・朝食・大浴場・周辺観光、観光施設であれば体験内容や季節ごとの景色などを紹介できます。

施設情報を並べるだけではなく、宿泊や観光の一日をイメージできるように見せることで、旅行前の「行きたい」という気持ちにつなげられます。

予約方法やアクセスについても中国語で分かりやすく案内しておくと、興味を持ったユーザーが次の行動を起こしやすくなります。

美容・コスメ・ファッションの活用方法

美容・コスメ・ファッションでは、実際に商品を使った様子やコーディネートなど、使用後をイメージできる投稿が向いています。

コスメであれば色味や使用感、ファッションであれば着用イメージなど、公式の商品画像だけでは分かりにくい情報を伝えましょう。

KOL・KOCによるレビューも組み合わせることで、ブランドを知らないユーザーとの新しい接点を作ることができます。

越境ECを行っている場合は、小紅書で商品を知ったユーザーが購入先を迷わないよう、購買導線まで設計することが大切です。

インバウンド集客における小紅書(RED)の活用事例

日本企業による小紅書のインバウンド集客活用事例

小紅書は、訪日前の中国人観光客に店舗や施設を知ってもらうために活用されています。

ここでは、RED上での認知から実際の来店・予約につなげた日本企業や事業者の事例をご紹介します。

京王百貨店|インバウンド集客の活用事例

京王百貨店は、中国人観光客への認知を広げるため、2024年に小紅書の公式アカウントを開設しました。

新宿という立地や「帰国前のお土産購入」という店舗の強みを活かしながら、小紅書で情報を発信しています。

同社が中国人来店客を対象に行った調査では、約65%が京王百貨店をREDで知ったと回答しています。

RED上で口コミが広がった商品では、前年の5〜10倍の売上を記録したケースもあり、SNS上での認知が実店舗への来店・購買につながった事例です。

伊藤久右衛門|インバウンド集客の活用事例

京都・宇治の老舗茶屋「伊藤久右衛門」は、中華圏から訪れる観光客への情報発信に小紅書を活用しています。

日本向けInstagramの投稿をそのまま使うのではなく、中国人ユーザーの文化や興味に合わせてオリジナルコンテンツを制作しました。

運用開始から約1年でREDのフォロワー数は2万人に達し、ブランドの検索指数も前年の約2倍に増加しています。

店舗でも「REDを見て来た」「投稿で見た商品が欲しい」という声が増えており、旅マエの情報発信から実店舗への来店につながった事例です。

大丸松坂屋百貨店|インバウンド集客の活用事例

大丸松坂屋百貨店では、訪日中国人への認知拡大を目的に、小紅書の公式アカウント運用を中心としたプロモーションを行っています。

通常のアカウント運用だけでなく、春節などのタイミングに合わせてKOL・KOC施策や広告も組み合わせました。

継続的な施策によってREDのフォロワー数は1.5万人に達し、訪日中国人への認知拡大や免税売上の増加につながっています。

日々の投稿とインフルエンサー施策、広告を組み合わせたインバウンド施策の事例です。

小田急電鉄|インバウンド集客の活用事例

小田急電鉄では、箱根や江の島・鎌倉などを訪れる中国人観光客への情報発信に小紅書を活用しています。

公式アカウント運用に加えてKOL・KOCや広告・PRを組み合わせ、観光地と移動手段を中国人ユーザーへ紹介しました。

運用開始から半年で約5,000フォロワーを獲得し、初年度のエンゲージメント数は当初の目標に対して約180%となっています。

交通サービスだけを紹介するのではなく、その先にある観光体験と合わせて発信した事例です。

BEAMS|インバウンド集客・ブランディングの活用事例

BEAMSでは、中華圏への情報発信を強化するために小紅書を活用しています。

単に日本向けの情報を中国語へ翻訳するのではなく、「BEAMSらしさ」を残しながら、小紅書のユーザーに伝わるサムネイルやハッシュタグ、投稿内容を設計しています。

公式アカウントとKOL施策を同じ戦略のもとで運用し、SNSと日本国内の店舗体験をつなげている点が特徴です。

インバウンド集客だけでなく、中華圏におけるブランドの認知拡大にも小紅書を活用している事例といえます。

西日本鉄道|インバウンド集客の活用事例

福岡県観光連盟が運用する小紅書アカウントでは、西日本鉄道が運営する観光列車に実際に乗車し、車内で過ごす様子など、観光列車を利用する体験そのものを動画で紹介しました。

投稿直後には小紅書経由で1日20〜30件の予約・問い合わせがあり、投稿から4カ月後も同じ投稿から週3〜4件の問い合わせが続いたとされています。

投稿直後だけでなく、過去の投稿が検索などを通じて継続的に見つけられ、長期間にわたって問い合わせにつながった事例です。

和歌山県のリゾート宿泊施設|インバウンド集客の活用事例

和歌山県内のリゾート宿泊施設では、中国人観光客への集客を目的として小紅書で広告施策を実施しました。

月額12万円で3カ月間施策を行った結果、150万円の宿泊売上につながったと報告されています。

大都市圏だけでなく、地方の宿泊施設でも小紅書を使って旅マエの中国人観光客へ情報を届けられることを示す事例です。

中国人観光客にまだ十分知られていない地域でも、SNSを通じて施設や地域の魅力を知ってもらうことで、新しい集客経路を作れる可能性があります。

越境EC・商品販売における小紅書(RED)の活用事例

小紅書を越境ECや商品販売に活用する日本企業

小紅書は、店舗へのインバウンド集客だけでなく、中国市場での商品販売にも活用されています。

ここでは、口コミやKOL・KOC施策を商品購入につなげている企業の事例をご紹介します。

CANMAKE|越境EC・ブランディングの活用事例

日本発のコスメブランドCANMAKEは、中国市場でのブランド認知や商品購入につなげるために小紅書を活用しています。

公式アカウントでの商品紹介だけでなく、プレゼントキャンペーンなどを通じてユーザーとの接点を増やしています。

商品を知ってもらうだけでなく、口コミやキャンペーンを通じてブランドへの関心を高め、購買につなげていく活用方法が特徴です。

若いユーザーとの接点を作りながら、中国市場でブランドを育てていく活用事例のひとつです。

ヤーマン|商品販売・ブランディングの活用事例

美容機器メーカーのヤーマンでは、中国市場での商品認知を広げるため、KOCによる小紅書への口コミ投稿を活用しました。

商品を実際に体験したKOCがレビューを投稿することで、企業からの広告では伝わりにくい使用感をユーザー目線で発信しています。

施策後には、対象ブランドのRED検索指数が施策前の平均と比較して約260%まで増加しました。

さらに検索結果の上位にKOCの投稿が複数表示される状態を作ることで、商品を検索したユーザーが口コミを確認できる環境につなげています。

キングジム|越境ECの活用事例

文具メーカーのキングジムでは、日本と中国のKOCによる小紅書投稿を商品販売につなげる施策を行っています。

KOCが実際に商品を使った感想や活用方法を紹介し、商品の魅力を口コミとして伝えました。

その結果、中国のECモール「天猫」の旗艦店では、対象となったツールスタンドが通常在庫数の4.5倍にあたる数量まで完売した事例が報告されています。

小紅書で口コミを作るだけで終わらせず、ECで商品を購入できる環境まで整えておくことの重要性が分かる事例です。

日本盛|ブランディングの活用事例

酒造メーカーの日本盛は、中国人ユーザーへのブランド認知拡大を目的に小紅書の公式アカウントを運用しています。

アカウント開設から投稿企画・制作・投稿まで継続的に行い、日本酒に関する情報を中国人ユーザーへ発信しました。

その結果、公式アカウントのフォロワー数は5,000人を突破し、当時、RED企業公式アカウントを持つ日本の酒造メーカーのなかでフォロワー数2位となったと報告されています。

中国ではまだ知られていない日本の商品でも、継続的な情報発信によってブランドとの接点を作れることを示す事例です。

ドン・キホーテ|インバウンド集客・ブランディングの活用事例

ドン・キホーテも、小紅書を通じて中国人ユーザーへ商品や日本での買い物情報を発信しています。

単純な商品紹介だけでなく、「日本旅行で買いたい商品」や日常生活のシーンに合わせた商品紹介など、ユーザーが参考にしやすいコンテンツを展開している点が特徴です。

中国人観光客にとって「日本で何を買うか」を考える旅マエの段階から接点を作り、実店舗での購買につなげる活用方法です。

豊富な商品数をそのまま見せるのではなく、テーマを決めて商品を紹介することで、ユーザーが保存・検索しやすいコンテンツにしています。

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小紅書(RED)の活用事例と方法|まとめ

小紅書の活用事例と方法を振り返りインバウンド集客の計画を立てる担当者
小紅書(RED)の活用事例と方法のポイント
  • 中国市場では口コミや体験談が商品・店舗を選ぶ際の参考情報として活用されている
  • 日本法人はインバウンド集客・越境EC・ブランディングなどに小紅書を活用できる
  • 成果を出すには体験談ベースの投稿・KOLやKOCとの連携・自然な中国語での発信が重要
  • 飲食・宿泊・美容など、業種によってユーザーに伝えるべき情報や導線は異なる
  • 大企業だけでなく地方企業や中小事業者でも小紅書を集客に活用している事例がある

本記事では、日本法人が小紅書を活用すべき理由から、具体的な活用方法、成果を出すためのポイント、実際の企業事例までご紹介しました。

小紅書は、投稿数を増やすだけではなく、中国人ユーザーが知りたい情報を理解し、口コミや検索を意識しながら継続的に情報を届けることが重要です。

まずは「インバウンド集客」「越境EC」「ブランディング」のうち、自社がどの目的で活用するのかを整理し、それに合った運用方法を考えてみましょう。

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「RED」で中国マーケティング
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